こんなもののために生まれたんじゃない。

再び鬼束ちひろの月光から。
なんのために自分は生まれたんだろう、と考える。
答えなんかない。
ただ生まれたから存在している。
では何故生まれたんだろう。
答えは簡単。両親がいたから。愛し合ったから。ただそれだけ。
私が生まれたとき、両親は嬉しかったのだろう。
でもそれは私の幸せではない。あくまでも両親の幸せだ。
つまり私は親の幸せのために生まれてきたのだろうか？
それならば私は幸せになれるのだろうか？
親のために、親の幸せのために私は生きねばならないのだろうか？
つまり親にとって「よい子」になり勉強をし、しつけを守って、学校でいい印象を周りに持たれるように？
そんなのごめんだ。
私は生きたい訳じゃない。生まれたかったわけじゃない。
それなのに生き方まで決められてるの？
これは思いこみ？被害妄想？
そうであって構わない。むしろそうであって欲しい。
死にたいと言うより、生まれて来たくなかった。
私という存在を、私が生まれたという歴史を、私が生きたという証拠を、すべて消してしまいたい。
それでも誰かに覚えていて欲しい、と思う。
勝手なことばかり言っているけど、やっぱり寂しい。
私はきっと、生きるには無気力すぎて、死ぬには欲がありすぎるんだ。
やっぱり生まれたくなかった。
生まれなければこんなことを考えることもなかった。
悩むこともなかった。
ヒト以外であるなら何に生まれても良かったのに。