インビジブルマン。

2002年9月14日
そっと手のひらを眺める。
右手の指で、左手の指に触れてみる。

大して柔らかくもない皮膚。
節くれ立った間接。
ざらついた伸びた爪。

そこには確かに存在している。

それなのに
なのに
なのに

左手など何処にもない。

左手だけではない。
右手も、脚も、首も、胸も、腰も、頭も、顔も。
ここには何も見えない。

どうしてこんな姿に生まれたのだろう。
どうしてこんな姿に生まれてしまったのだろう。

誰が私を見つけてくれる?
誰が私を捜してくれる?
誰が私を判ってくれる?
誰が私を見つめてくれる?

誰が私の存在を知ってくれる?

胸が痛い。

流れた涙さえ、きっと誰にも見えはしない。

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