GO TO HEAVEN
2003年8月17日「ちょっと行ってくる」
またね、と小さく手を振って、彼女は近所のコンビニに買い物に行くような気楽な足取りで一歩を踏み出した。
待って――
言葉を発する間もなかった。
彼女は躊躇うこともなく、もう一歩足を踏み出し――世界から消え去った。
長い髪が上昇気流に煽られ、名残を惜しむように一瞬だけ舞い上がり、静寂が広がった。
「……待ってくれ」
ようやく声になった言葉は、すでに遅すぎた。
彼女はあっさりとこの世界から消え、夢見た世界に飛び去っていった。
肉体というしがらみを振り解いて、遥か彼方、届かない空へと。
「早すぎるだろう…?」
最後に残されたまたねという言葉は、何を意味していたのだろう。
もう二度と会えないことなど分かり切っていたのに。
きっと。
一人ごちる。
彼女は空からこちらを見ていて、自分が空に行く時に、そっと手を差し伸べてくれるのだろう。
それまでに、話の種をたくさん作っておこう。
ふとそう思った。
またね、と小さく手を振って、彼女は近所のコンビニに買い物に行くような気楽な足取りで一歩を踏み出した。
待って――
言葉を発する間もなかった。
彼女は躊躇うこともなく、もう一歩足を踏み出し――世界から消え去った。
長い髪が上昇気流に煽られ、名残を惜しむように一瞬だけ舞い上がり、静寂が広がった。
「……待ってくれ」
ようやく声になった言葉は、すでに遅すぎた。
彼女はあっさりとこの世界から消え、夢見た世界に飛び去っていった。
肉体というしがらみを振り解いて、遥か彼方、届かない空へと。
「早すぎるだろう…?」
最後に残されたまたねという言葉は、何を意味していたのだろう。
もう二度と会えないことなど分かり切っていたのに。
きっと。
一人ごちる。
彼女は空からこちらを見ていて、自分が空に行く時に、そっと手を差し伸べてくれるのだろう。
それまでに、話の種をたくさん作っておこう。
ふとそう思った。
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