青い猫と白い猫と黒い猫が仲良く暮らしていました。
海の側で生まれた青い猫と、雪の日に生まれた白い猫、そして新月の夜に生まれた黒い猫です。
誰もが自分の色を素晴らしいと思っていたので、ある日青い猫がこんなことを言いました。
「僕の色は空と海の色なんだ」
あまりに自慢気だったので、白い猫も言い返しました。
「私の色だって雪と雲の色よ」
すると黒い猫も呆れたようにに反論しました。
「おいおい、優しい夜の色をなんだと思ってるんだ?」
喧嘩をした訳ではありませんが、三人は自分の色の素晴らしさを証明しようと各々旅に出ました。
青い猫はあちこち歩き回って、それから素晴らしい場所を見つけました。
それは海の上にせり出した崖の上でした。
崖の端に立てば、青い空と青い海を両方とも、とても近い場所で眺めることができます。
青い猫は空と海の側で微睡むように毎日を過ごしました。
とても幸せな日々でしたが、ある日突然青い猫は不安になりました。
真っ青な世界にいると、自分がどこにいるのか分からなくなってしまうような気がしたのです。
青い猫は、ここにはいない友人達に会いたくなりました。
寂しいと想いながら空を眺め、海を眺めて、青い猫はふと微笑みました。
「やぁ、また会えたね」
白い雲と黒い夜空の中に、青い猫は二人の友達を見つけたのです。
白い猫はしっかりした足取りで目的地へと向かいました。
それは雪が降り積もった銀世界でした。
足跡一つついていない真っ白な世界は、寒くはありましたがとても心地良いものでした。
白い猫は静か過ぎる雪景色の中でひっそりと毎日を送りました。
とても幸せな日々でしたが、ある日突然白い猫は怖くなりました。
真っ白な世界はとても美しいものでしたが、その雪の冷たさが身に染みるようになってきたのです。
白い猫は、どこかにいる友人達に会いたくなりました。
白い息を吐きながら遠くを想い空を見上げ、白い猫は嬉しくなりました。
「久しぶり、また会えたね」
深々と雪を落とす雲の切れ間の昼と夜の空に、白い猫は二人の友達を見つけたのです。
黒い猫は迷いながらも、目当ての場所を探し当てました。
それは頭上までを枝で覆われた、深い森の中でした。
樹の根元に寝そべって、影の中に蹲りながら、ただただ夜を待ちます。
黒い猫は全てが闇に覆われた世界で静かに毎日を送りました。
とても幸せな日々でしたが、ある日突然黒い猫は悲しくなりました。
真っ黒な世界はとても優しいものでしたが、前も後ろも見えない世界は孤独を感じさせたのです。
黒い猫は、離れてしまった友人達に会いたくなりました。
まとわりつく闇から逃げるように遠くを見つめ、黒い猫は顔を綻ばせました。
「また会えたな、嬉しいよ」
生い茂った枝の隙間から零れる光と空の中に、黒い猫は二人の友達を見つけたのです。
そしてみんな帰っていきました。
海の側で生まれた青い猫と、雪の日に生まれた白い猫、そして新月の夜に生まれた黒い猫です。
誰もが自分の色を素晴らしいと思っていたので、ある日青い猫がこんなことを言いました。
「僕の色は空と海の色なんだ」
あまりに自慢気だったので、白い猫も言い返しました。
「私の色だって雪と雲の色よ」
すると黒い猫も呆れたようにに反論しました。
「おいおい、優しい夜の色をなんだと思ってるんだ?」
喧嘩をした訳ではありませんが、三人は自分の色の素晴らしさを証明しようと各々旅に出ました。
青い猫はあちこち歩き回って、それから素晴らしい場所を見つけました。
それは海の上にせり出した崖の上でした。
崖の端に立てば、青い空と青い海を両方とも、とても近い場所で眺めることができます。
青い猫は空と海の側で微睡むように毎日を過ごしました。
とても幸せな日々でしたが、ある日突然青い猫は不安になりました。
真っ青な世界にいると、自分がどこにいるのか分からなくなってしまうような気がしたのです。
青い猫は、ここにはいない友人達に会いたくなりました。
寂しいと想いながら空を眺め、海を眺めて、青い猫はふと微笑みました。
「やぁ、また会えたね」
白い雲と黒い夜空の中に、青い猫は二人の友達を見つけたのです。
白い猫はしっかりした足取りで目的地へと向かいました。
それは雪が降り積もった銀世界でした。
足跡一つついていない真っ白な世界は、寒くはありましたがとても心地良いものでした。
白い猫は静か過ぎる雪景色の中でひっそりと毎日を送りました。
とても幸せな日々でしたが、ある日突然白い猫は怖くなりました。
真っ白な世界はとても美しいものでしたが、その雪の冷たさが身に染みるようになってきたのです。
白い猫は、どこかにいる友人達に会いたくなりました。
白い息を吐きながら遠くを想い空を見上げ、白い猫は嬉しくなりました。
「久しぶり、また会えたね」
深々と雪を落とす雲の切れ間の昼と夜の空に、白い猫は二人の友達を見つけたのです。
黒い猫は迷いながらも、目当ての場所を探し当てました。
それは頭上までを枝で覆われた、深い森の中でした。
樹の根元に寝そべって、影の中に蹲りながら、ただただ夜を待ちます。
黒い猫は全てが闇に覆われた世界で静かに毎日を送りました。
とても幸せな日々でしたが、ある日突然黒い猫は悲しくなりました。
真っ黒な世界はとても優しいものでしたが、前も後ろも見えない世界は孤独を感じさせたのです。
黒い猫は、離れてしまった友人達に会いたくなりました。
まとわりつく闇から逃げるように遠くを見つめ、黒い猫は顔を綻ばせました。
「また会えたな、嬉しいよ」
生い茂った枝の隙間から零れる光と空の中に、黒い猫は二人の友達を見つけたのです。
そしてみんな帰っていきました。
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