『Again』

2003年11月24日 魔女
 なんて綺麗な空。

 あなたが空に消えてしまってから、初めて見た綺麗な空。いつも目を逸らしていたし、視界の端に見える空は、いつだって灰色をしていた。
 それなのに、今日はなんて綺麗な青空。
 澄み切った青がどこまでも広がっている。果てを知らない空間が、何処までも何処までも続いている。わたしはなんてちっぽけな存在なんだろう。

 風が吹いて。
 春の南風は、柔らかく暖かい。まるで、あなたのように。あなたの細い両腕に抱きしめられたかのような、錯覚。都合の良すぎる錯覚。

 もう一度。
 あなたの側にいけたらと思うけれど。

 それは無理な話。
 だからわたしは、この空の下で生きていく。あなたが見守っていてくれると、信じているから。

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