『Going under』

2003年12月17日
 死んでしまうわ。

 深く深く沈んで、何処までも溺れて。
 ぼやけた視界の向こう側に見える、薄暗い光ばかりを求めて藻掻き続けた。

 だって、そこまで行けば、何か変わるって信じていたから。

 現実はそこまで甘くなくて、結局光には届かない。泳いでるのか溺れてるのか、それすらわからない状況。それでも必死で藻掻けば光に手が届く気がする。

 現実は、やっぱり甘くなかった。

 でもね、知ってるんだ。
 あんな薄暗い光を手に入れなくたって、ここでこうやって生きていけるんだってことを。
 ぬるま湯につかってるみたいな、不快と快感との紙一重の感覚。この感覚に溺れながら、生きていけるんだってこと。

 知ってるんだ。

 だからゴメンね。
 もう、死ねないの。

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