『Goodbye』

2003年12月19日
 それは最初で最後の『Goodbye』。

 好きで好きで仕方のない人は、どこか遠くを見てばかりいた。だって彼には誰よりも大事な人がいたのだから。
 それは彼の対となる人であり、対称である人でもあり、正反対な人でもあった。

 適うわけ、ない。

 最初から諦めていた。勝手に好きになって、勝手に告白して、勝手に泣き出されたら誰だって迷惑だろうから。
 迷惑にならない程度に、少しだけ擦り寄って、その後ろ姿をじっと眺めてた。

 そんなこと、しなきゃよかった。

 でも、彼は逝ってしまった。

 抜けるような青空の下、大気と混ざり合い、風に乗ってどこかに逝ってしまった。もう絶対に、手の届かない場所へ。

 対である人が泣いていたけれど、私は泣かなかった。泣けなかった。
 自分のことだけで精一杯だったから。

 ようやく、貴方にさよならを言えます。
 『HELLO』も言ってなかったけれど、貴方に『GOODBYE』を伝えたい。

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