『FREEDOM』

2004年2月6日
 自由になりたいか、と彼女は聞いた。
 もちろんなりたい。ここから出たい。この世界から出たい。空へ生きたい。本物の光を見てみたい。
 そう告げると彼女は低く低く笑った。何かを諦めたように。

『心を解き放てば良い。飛んでしまえば良い。身体なんて置き去りにして、心だけ飛ばしてしまえば良い。――そうして狂ってしまえばいい』

 そして今度は甲高い声で笑った。
 笑い声は、金属がこすれるような、鼓膜に傷を付ける音に似ていた。不快でしかない。けれど頭から消え去らない音だ。
 けれど、その無理矢理出したような笑い声を聞くと、わかってしまう。

 彼女はまだ自由になれていないのだ。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索