『雪の記憶』

2004年2月18日
 ぽたり、ぽたりと音が聞こえた。
 本当に小さなその音は、雪の中に吸い込まれ、更に更に小さくなった。
 それで、ぽたりぽたりと、したたり落ちる音が聞こえた。

 真っ白な雪原に咲いた深紅の花。
 甘く香っておきながら、鉄の匂いで緩く誘う、そんな花。

 ぽたり、ぽたりと。
 彼はただ立ちつくし、静かにその音を聞いていた。

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