さらさらと風の音が聞こえるような気がした。

 桜はね、散るからこそ美しいのよ。
 栄え、乱れ、誇りながら、枯れることなく、朽ちることなく、散っていくからこそ美しいのよ。

 さらさらと風の音が聞こえるような気がした。
 水色の空を覆う、桃色の吹雪の下で、思い出すのは彼の魔女の言葉。
 美しいまま、散っていってしまった、あの愛しき魔女の言葉だけ。

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