『貴方へ』

2004年3月7日
例えば世界が終わるとして
貴方と私が二人きりになったら
手を繋いで歩いていけるのでしょうか

例えば夜が明けないとして
私の目に貴方が見えなくなったら
名前を呼び指先で触れ貴方を見つけられるのでしょうか

例えば水が枯れ果てたとして
貴方と私と喉が渇いたとしたら
二人で一滴の命を分け合えるのでしょうか

無理に決まっている
不可能に決まっている

繋いだ手は千切れ
声は途切れて余熱さえも残らず
零れた命はいつか渇いてしまう

そう決まってる
覆すことなどできやしない

けれど同じ心で思ってしまう
並んで歩いていきたいと
囁きを交わしながら寄り添い
共に果ててしまいたいと思ってしまうのです

貴方へ
たった一人しかいない貴方へ
詰って憎んで愛して愛して下さい

そうすれば
私も貴方を
愛して愛して詰って憎める

そうして
二人揃って
生きていける

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