『Mam』

言葉の欠片がこぼれ落ちて
あなたの為よと笑ってくれた

そんな声は要らないの
一つで良いから　柔らかいキスを頂戴

愛の夢が流れ出して
あなたは良い子と囁いた

そんな声は要らないの
一度で良いから　抱きしめてくれれば

小さな傷痕が疼き出して
心の闇を裏返そうとする

そんなことはしちゃいけないの
忘れていれば　楽になれるんだから

痛かったり悲しかったり苦しかったり悔しかったり
嬉しかったり楽しかったり愛しかったり寂しかったり

傷はもう癒えたのに
引っ掻けば開いてしまう柔な傷口が
今での涙を零しているの

切ない気持ちが溢れ出して
貴方を好きだと愛していると言えたなら
言えたなら

そんな過去は要らないの
欲しいけれど要らないの

変えられない過去を望むほど幼くなんてないから
帰れない過去を忘れるほど弱くも強くもないから

少しだけ
忘れてしまうの