『海辺の人』

2004年3月26日
 海を見つめるその背中は、いつだって寂しげで、私は兄にかける言葉を、見つけることができなかった。
 二、三分後、兄が私に気づいて、帰ろうかと言ってくる。いつものこと。いつもの繰り返し。
 彼は知っている。私が声をかけられず、たむろしていることを。
 彼は知っている。私が一人じゃ家に帰れないことを。

 私は知らない。兄が、海を見ている理由を。

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