『Love Letter』

2004年3月28日
 手紙を送るなんて、何年ぶりかなぁって思う。雑誌の懸賞だって、最近じゃメールだし、家族も友達もみんなメール。年賀状も葉書は送らなかったよね。
 そんな私がなんで手紙を書いているのかというと、友達に勧められたからです。たまにはアナログもいーよって。実際、面白いね。長い文章を書くなんて、久しぶりだしさ。
 ただついつい、絵文字とか顔文字を使いたくなる。でも兄貴が嫌いって言ってたし、なんとか抑えてみるつもり。ふふ、私だってやるときゃやるんです。

 さてさて、兄貴は元気にしてる? 私は楽しくやってます。友達もいるし、楽しい先生もいるし、ゲーセンもカラオケもあるしね。UFOキャッチャーとプリクラさえあれば、何処に行っても楽しめるような気がしてきた。私って意外とお手軽?
 兄貴と撮ったプリクラも、友達に配っちゃった。またって顔されちゃった。私の友達は、みぃんな兄貴の顔知ってる。面白いね。写真って。
 格好いいって言ってくれるけど、あれってお世辞なのかな。そこんとこ、ちょっと微妙な感じ。でも私から見れば、最高に格好いいお兄ちゃんですよ。ご安心あれ。

 冬ももう終わりそうだね。私は寒いの嫌いだから、カイロと手袋とマフラーが必需品の生活が終わるって、すっごい嬉しい。今年買ったマフラーは最悪だったし。ごわごわしてたし、あんまり暖かくないし。高かったのに。
 だから春が来るのは待ち遠しいよ。早く桜が咲けばいいのに。そしたらお花見とかしたいな。お酒は飲みませんよ。多分。

 春眠暁を覚えず。
 とは、何にも関係ないけど、最近嫌な夢を見ました。起きた瞬間、一気に不機嫌。低血圧の私が、朝から叫びたくなるくらい、嫌な夢。
 ここまで言えば、兄貴はわかっちゃったかな。勘は良いし。
 そう、私の双子の妹ちゃんの夢です。あの子が、夢の中で私のことをきぃちゃんって呼ぶの。笑いながら。もう、本当に最悪。夢じゃん。だから、私も答えちゃったの。ちぃちゃんって。
 最悪も最悪。今世紀史上最大の最悪、みたいな感じ。
 あの子は、多分もう、起きないと思うよ。いや、絶対かな。直感と勘と、無意識のうちの意識でそう思う。あの子は、起きない。頑張って病院に生かされてるだけで、絶対に目を覚まさない。
 だからさ、正直思っちゃうんだ。こうやって夢の中でしか会えない。ただの記憶になっちゃうなら、早く死んじゃえって。
 例えば、病院で停電がおきたりして、機械が止まって、あの子が死んじゃったりしたら、みんな泣くよね。兄貴もママもパパも泣くよね。悲しむよね。
 だけど私は泣かない。多分、笑うよ。嬉しくて。
 ああ、やっとあの子を自由にさせてあげられる。やっと自然に帰してあげられる。やっとやっと、夢じゃなくて、現実であの子に会えるって。
 寂しいよ。そりゃ、ちょっとは悲しい。けど、あの子は死ぬべきだと、思っちゃうんだ。

 双子だから、とかそんなんじゃないよ。
 あの子が何を思ってたかなんて、知らない。私達は同じ物を見てたけど、重なり合って、同じ場所から見てた訳じゃないもん。私はあの子の隣から、あの子は私の隣から、同じ物を見てた。
 だからさ、何を見てたのか、その後の行動から、何を思ったかくらいはわかる。けど、私はあの子じゃないよ。
 例えるなら、背中合わせで正反対の場所を見てたような感じ。私は南を見てる。じゃあ、あの子が見てるのは、北だ。そんな風に。アイマイで微妙な感覚。ずっと一緒にいたからわかる。ただそれだけ。

 逢いたいよ。それは嘘じゃない。本当。
 だけど、不自然に睡ってるだけのあの子には、逢いたくなんてない。

 手紙って、難しいね。
 この手紙は出さない。棄てる。兄貴に見せられる訳ないじゃん。
 長い文章って、難しいよ。
 一つ書いたら、二つ目。二つ書いたら三つ目。どんどん溢れて、流れ出ちゃうし。困るよ。言いたくないことだってあるんだからさ。
 じゃあね、兄貴。バイバイ。この手紙もバイバイ。

P.S. 私は元気です。

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