『眠り姫』

2004年4月1日
 微かに上下する胸は、いつ止まってもおかしくないように思える。
 伏せられた瞼は、決して硬くはない。けれど、触れられない。拒絶されてるような気がしてしまう。
 きちんと揃えられた指先は、冷たかった。

 その細い肩に額を乗せ、じっと蹲る。
 別れの言葉を告げねばならない。
 そんな思いばかりに心を支配され、彼女は妹の顔を見ることができなかった。

 しっかりと別れてしまえば、もう会えない。
 彼女の直感が、そう告げていた。

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