『Blue Rose』
2004年4月7日 夢を見ていた。
目の前に青い花が咲いていた。指を伸ばせば触れられる距離。だからそっと花片に触れた。
天鵞絨のような手触り。滑らかでしっとりとしていて、柔らかい。けれど爪を立てれば、ざくりと細胞が切断され、血液の代わりに水が滲むのだろう。
豪奢な青い花は、存在しないと言われている青い薔薇だった。遺伝子を操作し、薔薇という存在を作り替えても、まだ生まれてこない幻の存在。それが目の前にある。
私は。
私は、その青い薔薇を、無造作に口に含んだ。
しゃきしゃきとした歯ごたえは、花片の瑞々しさばかりを象徴している。甘すぎる香りが口の中に広がり、鼻から抜けていく。気持ちが悪い。
それでも私は薔薇を咀嚼した。むしゃむしゃと。
薔薇の残骸が喉を通りすぎた時だけ、少し、胸の奥が痛んだ。
所詮、私は青い薔薇を食べて生きているのだ、と。
目の前に青い花が咲いていた。指を伸ばせば触れられる距離。だからそっと花片に触れた。
天鵞絨のような手触り。滑らかでしっとりとしていて、柔らかい。けれど爪を立てれば、ざくりと細胞が切断され、血液の代わりに水が滲むのだろう。
豪奢な青い花は、存在しないと言われている青い薔薇だった。遺伝子を操作し、薔薇という存在を作り替えても、まだ生まれてこない幻の存在。それが目の前にある。
私は。
私は、その青い薔薇を、無造作に口に含んだ。
しゃきしゃきとした歯ごたえは、花片の瑞々しさばかりを象徴している。甘すぎる香りが口の中に広がり、鼻から抜けていく。気持ちが悪い。
それでも私は薔薇を咀嚼した。むしゃむしゃと。
薔薇の残骸が喉を通りすぎた時だけ、少し、胸の奥が痛んだ。
所詮、私は青い薔薇を食べて生きているのだ、と。
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