『女神』

2004年4月8日
 彼女はとても美しく、毅然としていて、張りつめた儚さがあり、真っ直ぐで汚れを嫌い、欠点の一つも見当たらないような人だった。
 僕はそんな彼女を敬愛しながらも、他の人と同じように彼女を愛したいとは思わなかった。それは只の重荷だと心のどこかで知っていた。

 ある日、彼女が笑った。
「貴方、嫌い」
 何故、と呆然としながら僕は尋ねた。
「私を愛すことも、憎むことも、犯すことも、殺すことも、生かすこともできない癖に、私を求めるから」
 矢張り彼女は、凛とした美しい眼差しと声で、語った。

 僕は。

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