『記憶の欠片』

2004年4月10日
 あー、なんか苦手って思われてそう。
 それが今の親友に対する、二つ目の感想だったっていうんだから、割と笑えるよね。
 だってさ、ぱっと見た目、いかにも真面目そうで、私みたいなキャラとは縁がないって雰囲気なんだもん。
 私みたいなのっていうのは、スカートが短くて、髪を染めて、ばっちりメイクして、耳にピアスホールがあったり、アクセサリーをじゃらじゃらつけてたりとかする、そういうタイプってことね。
 性格的に言えば、煩くて、不真面目。なんでも笑い事にして、軽い感じってとこかな。
 でも私はこう見えても、ナチュラルメイクと美白推奨派だし、誰とだってフレンドリーに付き合えるし、馬鹿騒ぎは好きだし、テンションも高くて良く喋るけど、陰口とかは叩かないし、ちょっと見た目が派手ってくらいで、ふつーの女子高生だと思うんですけどネ。
 そんな私とは対照的なお隣さんは、困ったような顔をしてた。早く離れたいとか、そんな雰囲気を出してるの。多分、隠してるつもりなんだろうけどさ、バレバレって奴。
 でもま、かわいーもんじゃない。
 苦手だから離れたい。でもそんなことしちゃ、失礼だし、見た目で判断しちゃいけない。そんな心情が顔に出てるんだもん。
 そうやって頑張ってくれてるんだからさ、こっちだって頑張って返さなきゃ駄目でしょ。だから頑張りましたよ。できるだけ、にっこり、穏やかに笑ったりとか。私、演技は好きじゃないんだけどね。

「ハジメマシテ。隣に越してきた春日夏姫です」

 これからヨロシク。
 多分、私はこの子を気に入るなと思った。直感。だからきっと、ちょっとばかし、この子は苦労するんだろうな。真面目っぽいから。不真面目な私に心をイタメたりするんでしょう。
 でもま、それでも仲良くしてくれたら、万々歳じゃない。
 片思いって、綺麗な言葉ではあるけど、美しくともなんともないしさ。

 ちなみに、最初の感想は、二人とも「でかい」でした。

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