『0.8*2=1.6』
2004年4月17日 夏 左右対称。
右と左。上と下。
私達は、二人で一人とかそんなんじゃなかった。ちゃんと一人ずつ、しっかりとした人格があって、好きなものも嫌いなものもあった。一人だってしっかりしていられた。
だから一人になったって、平気。そう、思ってた。
現実は、もう少し厳しかった。
壊れることもできない癖に、何か足りない。何か見えない。何か聞こえない。熱が、言葉が、思いが、笑顔が、涙が、他にもたくさん、足りない。
それは普段は気づかないくらい、小さくて、薄皮一枚隔てた向こう側にいるのに、ふとした瞬間――風が吹いたとか、花が咲いたとか、そんな偶然でしかない瞬間に、顔を覗かせる。
そして、ちくちくとした痛みと、こぼれ落ちる砂時計の砂のような、さらさらとした喪失感を味合わせるのだ。
私達、二人で一人じゃないけど、一人じゃ少し、足りない。
二人で一.六って感じ。一人で〇.八。やっぱり、少し足りない。
足りない、よ。
右と左。上と下。
私達は、二人で一人とかそんなんじゃなかった。ちゃんと一人ずつ、しっかりとした人格があって、好きなものも嫌いなものもあった。一人だってしっかりしていられた。
だから一人になったって、平気。そう、思ってた。
現実は、もう少し厳しかった。
壊れることもできない癖に、何か足りない。何か見えない。何か聞こえない。熱が、言葉が、思いが、笑顔が、涙が、他にもたくさん、足りない。
それは普段は気づかないくらい、小さくて、薄皮一枚隔てた向こう側にいるのに、ふとした瞬間――風が吹いたとか、花が咲いたとか、そんな偶然でしかない瞬間に、顔を覗かせる。
そして、ちくちくとした痛みと、こぼれ落ちる砂時計の砂のような、さらさらとした喪失感を味合わせるのだ。
私達、二人で一人じゃないけど、一人じゃ少し、足りない。
二人で一.六って感じ。一人で〇.八。やっぱり、少し足りない。
足りない、よ。
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