『夢見た朝』

2004年5月3日
 覚えていない夢の欠片をもてあます朝は、いつだって不快でしかない。
 白い薄皮の向こう側の記憶が、何かを急かして、脅して、叫んで、訴えているのが判るから。

 折角、見ないふりをしているのに。
 折角、気づかないふりをしているのに。

 心の奥底に沈めた思いを、引きずり出さないで欲しい。
 だって、それはもう、どこにしまったのかもわからなくて、見つけることもできなくて、掬い上げることもできないのだから。

 思い出させないで。
 知らしめないで。

 甘い夢だけ、見させて。

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