『≒』

2004年5月20日
 多分、私達は違う物になりたかったんだと思う。

 一つの細胞から生まれた私達は、同じ姿を持っていて、同じ考え方、性格、声、その他諸々を持っていた。
 それを私達はとても好んでいた。自分と同じ存在を、とても愛していた。私も愛されていた。だから、自分を好きになれた。好きな人の好きな人だから。遠回りに。

 けれど、私達はきっと心のどこかで、違う物になりたかったんだと思う。
 だからお揃いの服は買わなかった。買うとしても、色違い。違う色に髪を染めた。カラーコンタクトを入れた。
 そうやって、多分、何かに抗っていた。

 ずっと一緒にいられない。
 心のどこかで、そのことを知っていたから。

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