永遠に続く夏が、またやってくる。
憂鬱にも似た感情が、胸の奥でもやもやと鎌首をもたげている。小さく吐き出した溜息は、まるで欠伸のようだった。やる気もなければ覇気もない。
夏が近づくこの季節は、いつもこうだ。
悲しいわけでも、辛いわけでもない。苦しいわけでもなければ、切なくなるわけでもない。ただ、何か、足りない部分をはっきりと自覚させられる。
ねぇ、千夏。
声に出さずに呟く。
また、夏が来るよ。
早く、帰っておいで。帰れないなら――
青い空を見上げる。届かない青。染まらない紅。
――さよなら、しようよ。
憂鬱にも似た感情が、胸の奥でもやもやと鎌首をもたげている。小さく吐き出した溜息は、まるで欠伸のようだった。やる気もなければ覇気もない。
夏が近づくこの季節は、いつもこうだ。
悲しいわけでも、辛いわけでもない。苦しいわけでもなければ、切なくなるわけでもない。ただ、何か、足りない部分をはっきりと自覚させられる。
ねぇ、千夏。
声に出さずに呟く。
また、夏が来るよ。
早く、帰っておいで。帰れないなら――
青い空を見上げる。届かない青。染まらない紅。
――さよなら、しようよ。
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