『朝の声』

2004年6月21日
 光が届かない。
 闇に覆われた世界で、私は一人呟いた。

 「助けて」

 鳥の声が聞こえて、朝の到来を告げていた。白い光が見える。青空と少し陰った雲。
 綺麗な朝。
 光に溢れた世界。

 「助けて」

 それでも呟く言葉はいつもと同じ。
 光が届かない。眼に映る世界はいつも灰色に翳り、生暖かい空気が瞼を包み込む。

 「助けて」

 光が欲しい。光を頂戴。
 闇は要らない。暗闇はもうたくさん。

 「助けて」

 壊れたように呟くと、心の奥で何かがガラガラと音を立てて崩れていく。
 助けて。
 光を。

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