『更夜』

2004年7月29日
 開け放たれた窓の横に座り込んだ少女は、窓枠に両腕を乗せ地平線をじっと見つめている。
 そうして、いつか来る夜明けを待っている。
 彼女は知っているのだ。夜が明けることを。
 朝は必ずやってくるということを。知っている。

 だから笑いながら、窓辺に佇んでいられるのだ。そうやって、朝を待ち続けることができるのだ。たった一人でも。

 けれど朝は来ない。
 おかしいなと首を傾げながら、それでも少女は待っている。
 それは夏の終わりの物語。

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