『白い花』

2004年10月21日
 手になじんだ武器の感触。
 どれだけ傷ついても、門をくぐれば元に戻ってしまうこの世界では、指先にたこができることもなければ、ささくれることもない。
 だから、いつだって、馴染んでいるのに、拒絶される気分。

 道ばたに白い花が咲いていた。
 小さくて可憐で、可愛くて、儚くて寂しげな白い花。

 武器を持って戦って、血を流しても、自分は結局無傷のまま、他人ばかり傷つけて、それを楽しいと思って生きている私には。
 少し、眩しすぎる白い花。

 空は青いけれど、青すぎて、瞼を焼き尽くすし、太陽も赤すぎる。
 鮮やかすぎる世界はいつだって終わらない。
 その中で、白すぎる花だけが、色を失っていながら、何よりも純粋できれいに思えたのは、もう、原色の世界に飽きたからなのだろう。
 早く、終わればいいのに。

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