どうして、赤なんだろう。
手の平にずっしりとした重さを与える、大きな赤い宝石を見つめ、そっと溜息を吐いた。
一辺の狂いもない美しい球体を、無造作に手の上で転がしながら、じっとその中心を見つめた。そこには不思議な光が宿っているように見える。キラキラとどこからともなく光を放ち、何かとてつもない神秘を感じさせる光だ。
オーブというらしいが、その実態は結局よくわからない。
多分、考えてもわからないようなものなのだろうと思い、これっぽっちも考えてはいないのだが。
美しいもの。
そして不可思議な力を持っているものだということだけが、無意識に理解できたことだった。
四色あるオーブを一つずつ持とうと言われた。
それに関して異論はなかった。問題はないし、それが平等なのだから文句もない。それに美しい宝石のようなものを、直に触れてみたいという素直な気持ちもあった。だからあっさりとOKを出したのだ。
けれどそれが赤になるとは思わなかった。
よりによって、血のような紅の光を、間近で見なければならないとは思ってもいなかった。
くるくると手の平で踊るオーブは、相変わらず美しい光を放っている。
その光がいつかの夕焼けと重なり、一瞬瞼の奥が揺れた。
脳みそを入れている容器が、ぐらぐらと揺れ、呼吸ができない。それでいて、心臓だけがいつものように、ゆったりと鼓動を打っていた。
ぐっと目を閉じ、次に目を開ければ、その時には全て収まっている。
それでも。
やはり、赤に対する拒絶が、心の奥には潜んでいた。
手の平にずっしりとした重さを与える、大きな赤い宝石を見つめ、そっと溜息を吐いた。
一辺の狂いもない美しい球体を、無造作に手の上で転がしながら、じっとその中心を見つめた。そこには不思議な光が宿っているように見える。キラキラとどこからともなく光を放ち、何かとてつもない神秘を感じさせる光だ。
オーブというらしいが、その実態は結局よくわからない。
多分、考えてもわからないようなものなのだろうと思い、これっぽっちも考えてはいないのだが。
美しいもの。
そして不可思議な力を持っているものだということだけが、無意識に理解できたことだった。
四色あるオーブを一つずつ持とうと言われた。
それに関して異論はなかった。問題はないし、それが平等なのだから文句もない。それに美しい宝石のようなものを、直に触れてみたいという素直な気持ちもあった。だからあっさりとOKを出したのだ。
けれどそれが赤になるとは思わなかった。
よりによって、血のような紅の光を、間近で見なければならないとは思ってもいなかった。
くるくると手の平で踊るオーブは、相変わらず美しい光を放っている。
その光がいつかの夕焼けと重なり、一瞬瞼の奥が揺れた。
脳みそを入れている容器が、ぐらぐらと揺れ、呼吸ができない。それでいて、心臓だけがいつものように、ゆったりと鼓動を打っていた。
ぐっと目を閉じ、次に目を開ければ、その時には全て収まっている。
それでも。
やはり、赤に対する拒絶が、心の奥には潜んでいた。
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