恋。

2005年1月23日
 それは恋だよ、と彼女は笑った。

 欲しがるだけの気持ちでしょ。側にいて欲しいんでしょ。行かないで欲しいんでしょ。だけど彼は側にいられない。いたくないのかもしれない。その気持ちを尊重してあげられない。
 それは恋だよ。
 だから貴方は、愛してるだなんて言っちゃダメ。大好きまでにしておきな。だって貴方の気持ちは愛じゃないんだもん。卑怯でしょ。
 ほら、泣かないの。いや、別に泣いたって良いけど。
 まぁ、どうでもいいことだけど、そろそろいい加減にした方が良いんじゃないかな。彼が面倒くさがって、本当に貴方を嫌いになるまえに、プライドくらい取り戻した方が良いと思うよ。
 もっともっと良い女になって、もっともっと彼好みの女になってやろうって気にはならない訳? だってそうすれば、彼から離れたくないって言い出すと思うよ。そしたら貴方の勝ち。勝ち負けじゃない? 煩いなぁ。
 じゃあ、結局どうしたいの?
 離れたくない、好きだから、好きでいて欲しい。一番に思い続けて欲しい、唯一の人になりたい。虫が良すぎるっていうんだよ、そういうのを。
 まぁ、別に好きにすれば。所詮他人事だし。
 何? 私のことを優しい人だとでも思ってたの? それ面白いよ。今日の話の中で一番ね。
 縋りつこうとするのは勝手だけど、それを突き放す方だけに、責任があるだなんて思わないようにね。私から見ると、貴方にも結構責任があるような気がするんだけど。無自覚? 私の所為なんですって自己犠牲みたいな言葉はいらないよ。
 とりあえず、色々と顧みてみたら?
 それでもまだ好きなら、もう一度くらい必死になってみれば。
 でも彼に煩わしく思われないようにね。縋りつくだけじゃダメなんだよ。それだけ覚えて。

 ガンバレば。
 適当な口調で言い、彼女は一つ欠伸をして見せた。

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