『someone』
2005年7月2日 私の内側には、知らないけれど、誰よりもよく知っている誰かがいて、その誰かはいつだって私を殺そうと機を狙っているけど、私は気付かないふりをし続けながら、その誰かが私の心臓を突き破ってくれる日を、今か今かと待っているのに、用心深いその誰かは一向に手を出そうとしないで、私を焦らし続けるから、今じゃもうそれはわざとやっていることで、その方が私が苦しむから、殺してくれないんじゃないかって気がしてならないのは、私の気のせいなんかじゃないはずで、だって実際問題、いつまでたっても私は打ち上げられた魚みたいに、砂にまみれてのたうち回るだけで、海に帰って泳ぐことも、魔法の薬を飲んで人の脚を手に入れることもできないから、乾いた咽をぱくぱくさせて、馬鹿みたいに空気ばかりを求めて、エラを広げているに過ぎないのよ。
コメント