『螺旋』

2004年6月25日
 ぐるり廻って、元の位置。
 一段登って、元の位置。

 いつまでも終わらない時間があるのだと、信じていた時があった。恋人が出来るまでのことだ。
 彼と出会うことで、やっと自分の中にある時間の流れを認識することができた。それまではずっと、ずっと今が続くのだと、心のどこかで信じていたのだろう。それほど、穏やかな時間だった。
 辛いことがないわけでもなかった。苦しいことも一応あった。けれどそれらに目がいかないほど、楽しいことは山のようにあった。嬉しいこともあった。愛しい人と、愛しい神の側にいられた。
 けれど彼と出会った。
 その瞬間、私の中で一つの永遠が崩れ去った。終わってしまった。今の位置から、自然と動いてしまったのだ。
 そうして、永遠がないことを知ってしまった。いつか、全ては終わる。終わってしまう。そのことに気がついた。

 永遠に続くと思っていた生活は終わりを告げ、恋人との生活が始まった。
 永遠に続くと、幼い頃から信じていたのは、家族と親友と神のいる生活だった。それは終わることのない、永遠だと信じていた。何よりも近いけれど遠い話だと、思っていた。
 けれどまた、全ては廻るのだろう。
 新しい生活も、きっと終わらない。けれどふとした拍子に、壁が崩れ落ちてしまう。

 巡り廻って。
 それでも、私は、貴方を思う。

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