病。

2007年7月16日
 守る。全てから。
 だから閉じこめる。小さな部屋に。
 そして触れさせない。他の誰にも。

 許さない。簒奪者を。
 近寄せない。躊躇わず。
 もういない。永遠に。

 行かせない。何処へも。
 わからない。何故なの。
 止められない。どうしても。

 ならば奪うまで。
 全てを。

12月1日の日記

2005年12月1日
永遠の欠片を積み重ねて
祈った

白い指が描いたのは未来の地図
明日の居場所を探して
なぞったゆるい坂道

一瞬の欠片を積み重ねて
願った

君と僕の間にあるはずのない
果てしない世界への扉
それは白い砂のように

この肌の下に潜む
まばゆい真実を探して
太陽へ叫んだ

遠い日の歌

空高く

2005年11月20日
青い旗を振って
あなたに笑いかけた

白い空が広くて
紅葉ばかりが鮮やか

手を伸ばしたら
きっと届くけど

掴んだら壊してしまうから
もうちょっとだけ見つめています。

せかいへ。

2005年10月29日
広い世界へ

碧い海と白い雲
萌える大地と瞬く星

小さな私へ

怯える腕と小さな掌
走れない足と後ろ髪

不機嫌なあなたへ

賢い眼差しと長い指先
鋭い知識と小さな後悔

広い世界へ

わたしとあなた
あなたとわたし
あなたの全てとわたしの総て
知らなかった形と知ってしまった色

涙なんて綺麗じゃなくて構わないから
この世界で明日私は泣くのでしょう。

『夕陽の狭間』

2004年11月19日
時間が止まった黄昏時は
貴方の姿を見失う

何時しか私は影になり
子鬼のように走り出す

そして世界は動きだす
全ての色を変えて

『君へ』

2004年10月31日
今は亡き君へ

美しい世界から飛び立った君が
今いる世界は美しいのだろうか。

どうかどうか
君が泣いていないように

祈っているのは
そうでもしないと僕が泣いてしまうから

『朝霧』

2004年10月27日
揺らぐ景色の向こう側
青い鳥が囁いた

白い水面の裏側で
銀の魚が飛び跳ねた

霧に隠れた世界では
あなたが一人で歌っている

朝が来るまで
いつまでも

+ + + +

1000件突破です。
記念に何かしたかったです…。

『羽根の在処』

2004年8月3日
草原を駆ける少女の
擦り切れた踵には羽根がある

草いきれと緑の刃に切り裂かれ
砂埃にまみれた若さを
それでもまだ抱きしめることさえせずに

ただ走り続けるその踵は
光の羽根を持っていた

川縁で眠る少年の
あかぎれた指先には羽根がある

冷えすぎた水と身を裂く寒さ
清廉すぎるいとけなき瞳は
それでもただ空を見上げるだけで

白い息に包まれた指先は
夢の羽根を持っていた

『young lover』

2004年7月27日
幼い二人は知っていた
あの空に終わりがないことを

幼い二人は知っていた
あの海に底があることを

幼い二人は知っていた
夢見た朝のあどけない静寂を

幼い恋人達は
ただ甘い夢に浸りながら
それでも愛を語ることしかできないことを

誰より深く知っていた。

『水』

2004年5月27日
渇いた喉を潤して
貴方の泉を干上がらせた

愛しい人の愛情などと
白い言葉を塗り重ねては
貪欲に貪るだけの無知

水をください
水をください

渇いた喉に一滴水を
貴方の砂漠に静かな流れを

『春の詩』

2004年5月23日
暖かい風と
夢の匂い

見えない世界と
明るい花々

止まらない歌声と
差しのばした指先

掠めた体温を求め続ける
痺れた春の夢

『秋の声』

2004年5月23日
舞い落ちる枯れ葉に
そっと接吻

崩れ落ちた貴方に
小さく溜息

生きていけると信じていた
例え一人きりであっても

風の中で振り返る
忘れられない秋の記憶

『冬の幻』

2004年5月22日
雪景色に浮かび上がった
白い刹那の幻

鋭く冷たく
触れれば溶ける程に儚く

別れを愛おしみながら
出逢いを嘆きながら

それでも独りでいられない
小さな冬の物語

『夏の嘘』

2004年5月22日
濡れた空気と
雨の匂い

虹の欠片と
終わらない夕焼け

貴方が私に言った言葉
私が貴方に伝えた言葉

嘘ばかりの
湿った夏の日

『低温火傷』

2004年3月29日
柔らかな体温は
私をそっと抱き寄せると
囀るように歌い出す

愛おしい体温は
私に哀れむ程優しい言葉を与え
羽根のように突き放す

憎々しい体温は
私の傷口の隙間に嘆きを押し込め
空へと旅立つ

私の爛れた心に
火傷の跡だけを残して

『いつまでも』

2004年3月22日
貴方と二人で歩いたあぜ道は
今はコンクリで固められ
僅かな隙間を縫って生きようとするタンポポだけが
ひっそりと生きています

貴方と二人で叫んだ屋上は
今はあっさりと取り壊され
広い空き地になって時々現れる野良猫たちが
ひっそりと暮らしています

タンポポの綿毛が散って
野良猫の子供が大きくなって
それでもやっぱり死んでしまって

貴方もいなくなってしまったら
わたしはどうしたらいいんでしょう

あの思い出はあまりに鮮やかで
溌剌とした笑顔と声と眩しすぎる涙で溢れて
鈍く霞んでしまったわたしの記憶を
ちくちくと刺激します

永遠はどこにもありません
けれどそれでも
それでもそれでも

あの一瞬が
脳裏に焼き付いて離れてくれないのです

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