『I want you to love me』
2005年7月7日 その他連作 冷えた指を伸ばすと、熱を帯びた指先が絡んできた。火傷しそうだと思った。あまりに熱くて、痛かった。包まれているのに、結ばれているようで、解くことさえ出来なかった。
どれが自分の指かわからなくなるくらい、きつく絡めてくれれば良いのに、触れあうだけの指は、やっぱり冷たいままで、熱に触れては震え上がった。
いつか殺される。
無性にそう感じた。
熱い指先が素肌に触れてくる。
ぞくぞくとした快感の下には、いつだって寒気が潜んでいる。ひやりとした冷気が心を撫でまわし、これは違うよと余計なことばかり教えてくれる。
これは彼じゃないよ。
この指はあの人のものじゃないんだよ。
――そんなこと、知ってる。
愛してなかった。
恋心さえ抱いていなかった。
それでも欲しかった。憎んで欲しかった。跡を付けて欲しかった。
残された傷跡を、いつも冷えた指先でなぞっては、あの日の痛みを思い出す。
どれが自分の指かわからなくなるくらい、きつく絡めてくれれば良いのに、触れあうだけの指は、やっぱり冷たいままで、熱に触れては震え上がった。
いつか殺される。
無性にそう感じた。
熱い指先が素肌に触れてくる。
ぞくぞくとした快感の下には、いつだって寒気が潜んでいる。ひやりとした冷気が心を撫でまわし、これは違うよと余計なことばかり教えてくれる。
これは彼じゃないよ。
この指はあの人のものじゃないんだよ。
――そんなこと、知ってる。
愛してなかった。
恋心さえ抱いていなかった。
それでも欲しかった。憎んで欲しかった。跡を付けて欲しかった。
残された傷跡を、いつも冷えた指先でなぞっては、あの日の痛みを思い出す。
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