How to

2006年2月1日
 どうしたら、君は信じてくれるのだろう。

 俺がつきあっていた頃の彼女は、いつも笑っていた。
 影の無い笑みを、それは華やかに浮かべていた。何かに例えるなら、ヒマワリだ。太陽を追いかける、大輪のオレンジ色に彼女はとても似ていた。笑い方。開けっぴろげな性格。大胆で大雑把で、けれど暖かい性質を持っていた。
 けれど、再会してみて驚いた。名前ですぐに気づいたけれど、姿を見てもわからなかった。顔立ちはそうそう変わらない。面影はばっちり残っていたし、スタイルもそんなに変わっていない。髪の色や化粧の仕方が変わったって、根本的な部分が変わらないのだから、それくらいはすぐにわかる。
 ただ、笑い方が違った。
 あの頃のように、明るく、楽しげに笑っているけれど、そこには何かが足りない。例えるなら太陽を無くしたヒマワリのように。追いかける対象を無くして、迷子になってしまったかのような、色あせたオレンジ色。
 太陽の光を浴びることのできないまま、不自然に育った大輪の笑みは、何故か俺を悲しくさせた。昔を思い出せば出すほど、悲しくなった。
 一時とはいえ、愛した物が崩れていく姿に、何度も唇を噛んだ。

 君は信じてくれないけれど、君の恋人は昔、ヒマワリのように笑っていたんだ。
 僕は知っている。

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